こんにちは!
弊社主催の解体工事会社向けオンラインセミナーを先日開催いたしましたので、人事広報の山際がレポートします。
アスベストに関する規制が強化される改正大気汚染防止法の成立を受けて、アスベスト対策関係省庁のワーキンググループの委員および日本アスベスト調査診断協会理事長を務める本山幸嘉氏をお招きし、全国の解体工事会社約100社向けに「アスベスト規制強化に関する法改正の内容と経緯」を解説するセミナーを、6月25日(木)に開催しました。当日の様子や、参加した工事会社の声をまとめました。
【内容】
1)セミナー開催の背景
6月5日に石綿の飛散防止のための法規制を定める「改正大気汚染防止法」が公布され、アスベストの有無にかかわらず、一定規模以上の解体・改修工事について事前調査結果の届出が義務化されるなど、飛散防止対策の強化を求めるものです。2021年4月より段階的に施行されることが決定しており、解体工事会社は対応が求められます。
本セミナーは、アスベスト規制強化の改正法が成立し、工事前の石綿調査や報告が義務化される一方、弊社の調査(※)で明らかになった、解体工事会社の約7割が「解体時の対策義務付け」を認知するも、6割以上が未対策である実態を受け、法改正についてのさらなる認知や理解を広めていくことを目的に、企画しました。
※アスベスト規制強化に関する解体工事業界の意識調査(2020年5月26日発表)
http://www.crassone.co.jp/news/chosa_release-4/
調査期間:4月20日〜24日、対象:弊社提携先の工事会社 193名
2)登壇者の紹介
一般社団法人日本アスベスト調査診断協会
理事長 本山幸嘉 氏
昭和35年(1960年)2月24日 熊本県山鹿市生まれ 株式会社本山建設 代表取締役社長 平成26年7月 一般社団法人日本アスベスト調査診断協会設立 理事長就任 現在三省(厚生労働省・国土交通省・環境省)の石綿関連の委員を務める。 |
株式会社クラッソーネ
取締役COO 堀口晃司
愛知県出身。南山大学経営学部卒業後、2008年にセキスイハイム中部株式会社に入社し、住宅営業として4年間勤務。2012年9月に退職後、翌10月クラッソーネに入社する。解体事業部長を経て、取締役/COOに就任し、現在に至る。 |
3)「アスベスト規制強化 法改正の内容と経緯」(※本山氏の講演より一部抜粋・編集)
a.法改正の内容と経緯
平成28年5月総務省により、行政評価・監視に基づきアスベスト対策について厚生労働省・環境省などに勧告が行われました。石綿飛散防止に関する課題が示されたことで、各省において各審議会等が設置され、検討が行われてきています。環境省の管轄する大気汚染防止法の今回改正された主な内容は、①全ての石綿含有建材への規制対象拡大、②事前調査の法定化と都道府県などへの事前調査結果報告義務付け、③作業基準順守徹底のための直接罰の創設、④作業記録の作成と保存の義務付けです。ただし、省令(施行規則)は現時点(セミナーを実施した6月25日時点)で検討中であり、今後の決定を待って対応を進めていく必要があります。
b.検討中の石綿障害予防規則改正内容について
大気汚染防止法の一部改正に伴い、厚生労働省の管轄する労働安全衛生法の省令である、石綿障害予防規則も一部改正される予定です。主な改正項目は、①解体・改修工事開始前の調査、②解体・改修工事開始前の届出、③隔離作業に係る措置、④隔離を必要としない作業に係る措置、⑤作業の記録、➅作業時の作業環境測定、⑦解体・改修工事に係る管理体制、⑧事業者、国民に対する情報公開、周知等です。ただし、現時点(セミナーを実施した6月25日時点)では詳細検討中となり、各項目の詳細規則はまだ決定していません。
解体工事会社にとって大切なポイントは、事前調査の目的と流れについて、正確に理解をしておくことです。事前調査の目的は、石綿含有建材を探すことではなく、石綿含有の有無を事前に調査することであり、「含有無し」を証明することから始まります。その証明ができない場合は、分析調査するか、含有有りとみなすことが基本的な考え方です。また、調査実施計画~書面調査~現地調査~報告書作成までの事前調査の手順をしっかりと学び、抜け漏れなく網羅的に調査することが必要です。(講演内では、現地調査の具体的な手順や報告書のフォーマットなど、具体的にレクチャーがありました。)
【注記】
7月1日付で、石綿障害予防規則等の一部を改正する省令が成立しました。セミナーで共有された検討会の報告書の内容から一部変更になっている箇所もありますので、詳細は7/1発表の官報をご確認ください。
石綿障害予防規則等の主な改正内容は、以下の通りです。
出典:石綿障害予防規則等の一部を改正する省令案の概要について(厚生労働省ホームページ内)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000638934.pdf
※省令は令和3年4月1日施行ですが、一部別の定めがある項目もあります。
c.対策のポイントについて
石綿関連法案を理解し、近隣住民および自社等の労働者に石綿における被害者を出さない様取り組むことが必要となります。そのために、事前調査を基にした石綿除去作業計画書を作成し、解体改修工事することが不可欠になります。
現在検討中の、改正石綿障害予防規則が決定すれば、解体前の事前調査を行うには、今回の改正により令和5年9月までに「一定の知見を有する」社内外の調査者を確保する必要があります。主な手段としては、「建築物石綿含有建材調査者」を自社に育成することが必要になり、この建築物石綿含有建材調査者の講習を受講するためには、石綿作業主任者など受講に必要な条件があります。また、調査資格を得た後にも、継続的に研修を受けて情報収集や調査手法や報告書作成の訓練を受け、石綿による被害を出さない解体工事会社になることが求められます。
d.セミナーの様子
4)参加社数、参加者の声
a.参加社数
全国の建設業許可または解体工事業登録を保有する解体工事会社 約100社
b.参加者の声
- 行政等からの詳しい情報開示がなく不安を感じていたが、今回のセミナーで不安がぬぐえました。また、社内だけでなく元請けや下請けへの情報共有も必要だと感じ、対応策を考えるいい機会になりました。
- 「建築物石綿含有建材調査者」が必要ということを具体的かつ明確に教えて頂くことができ、今後の方向性が見えました。
- 普段からアスベストに関して色々な資料を基に情報収集していますが、法改正後すぐに開催の本セミナーで、より分かりやすく理解でき大満足でした。
そのほか、参加者からは「民間や市町村に対して国からの補助金等は予定しているのか?」や「石綿規制が強化された平成18年以降で建築された建物であれば、事前調査をしなくても良いのか?」といった質問が上がりました。
c.参加者の満足度
今回参加した約100社のうち70社からアンケートの回答を得ました。その結果、「大変満足(34.3%)」または「やや満足(47.1%)」と回答した工事会社は81.4%となりました。
一般社団法人日本アスベスト調査診断協会(協会概要)
所在地 | :〒105-0014 東京都港区芝5丁目26-30 専売ビル5F 2B |
代表者 | :理事長 本山 幸嘉 |
設立 | :2014年6月2日 |
URL | :http://www.nada20090620.com/ |
事業内容 | :アスベスト調査や診断、アスベスト対策・処理に関する総合的なコンサルティング、アスベストに対する正しい知識の啓蒙・啓発、調査研究および研修会に関する事業等を運営 |
「くらそうね」サービス概要
今年4月に全国展開を開始した新サービス「くらそうね」は、解体工事を希望する施主と解体工事会社をマッチングするプラットフォームで、これまでの「くらそうね解体」における累積約3万件の住宅解体に関する見積もりデータをもとに、AIが最短1分で最大10社の見積もり予想金額を算出する、国内初のサービスです。本サービスを通じて空き家解体の検討を早期化することによって、社会課題である「空き家問題」の解決や、昨今注目を集めている「住まいの終活」の推進に取り組んでいきます。
施主向け
・施主利用料 | :無料 |
・URL(施主向け) | :https://www.crassone.jp |
・主な機能・サービス
見積予想金額算出 | :累積約3万件におよぶ住宅解体に関する見積もりデータをもとに、AIによって解体の見積もり予想金額を算出(最大10社分を表示)※特許出願中 |
工事会社情報閲覧 | :工事会社について「対応マナー」「追加費用」「工事品質」「工期遵守」「近隣配慮」の5項目から定量的な評価や口コミを確認可能 |
メッセージ送受信 | :工事会社と直接メッセージの送受信が可能 |
専門スタッフ相談 | :解体工事における不安点や疑問点について「くらそうね」担当スタッフへ相談でき、見積もり内容の相談から工事完了までを一気通貫でサポート |
契約締結 | :クラウドサインを用いた電子契約により契約手順を簡略化 |
工事会社向け
・工事会社利用料 | :初期費用無料、月額利用料無料、成約手数料 工事金額の10% |
・URL(工事会社向け) | :https://www.crassone.jp/biz/index |
・工事会社の「くらそうね」利用メリット
集客効果 | :自社の予想金額や会社情報を確認した施主のみが本見積もりを申し込むため、受注確度が高い顧客を獲得可能 |
業務効率アップ | :アプリ上で見積もり作成と顧客への送付ができるなど業務手順の効率化が可能 |
・利用申し込み方法:下記の専用フォーム、専用フリーダイヤルから申し込みを受け付け
専用フォーム | :https://go.crassone.jp/signup |
フリーダイヤル | :0120-849-165 |
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