今回の流れと目的
今回の流れ
先々週と先週に渡り、「解体工事Q&A」の材料となる情報を収集しました。現状手元にある材料は下記の通りです。
- ブレストで得たユーザーの疑問・不安(約300個)
- Yahoo!知恵袋から得たユーザーの疑問・不安(約100個)
- 複合ワードのパターンから得たキーワード(約180個)
- 過去データとツールから得たキーワード(約30,000個)
1と2に関しては、既にQ&Aで利用可能な質問文の形になっていますが、3と4については言葉の羅列に過ぎません。
そこで、今回は今までに得たキーワードから質問文を作成していきたいと思います。前半部分では3のキーワードから、後半部分では4のキーワードから質問文を作成していきます。
今回の目的
今回の目的として忘れていけないのが「幅広いキーワードを、幅広さを保ったままコンテンツへ落とし込む」ということです。
ポータルサイトにおける「解体工事Q&A」の役割は、次の3点です。
- 幅広いテールワードに対応することで多くの検索トラフィックを呼び込み、解体工事に興味を持っているユーザーの集客へと繋げること
- 解体工事に関する幅広い情報を網羅することで、ユーザーから「ここに来れば欲しい情報は手に入る」と感じていただき、リピートに繋げること
- サイトに対する信頼感を持っていただき、最終的には一括見積サービスを利用していただくこと
この3つが達成出来てはじめて「解体工事Q&A」の成功となります。3についてはコンテンツの質やサイトの導線が問われますが、1と2で鍵となっているのが幅広さです。
そこで今回は、「キーワードの幅」と「コンテンツの幅」に注意をしながら、作業を進めていきたいと思います。
幅を保つためにカニバリゼーションを防ぐ
カニバリゼーションとは
カニバリゼーション(cannibalization)とは、「共食い」を意味するマーケティング用語です。もともと、自社商品の間で競合が起こって、潰し合いをしてしまうことに対して名づけられていますが、解体工事Q&Aを作成する上でも共食いには気をつけ無くてはなりません。
カニバリゼーションについて、詳しくは下記サイトで言及されています。
キーワードカニバリゼーションを避ける重要性
「解体工事Q&A」の1つ目の役割が幅広い集客でしたが、キーワードの共食いは集客を妨げることになります。
Googleのアルゴリズムは検索結果に偏った情報を表示させないために、検索結果に同一ドメインのページを4つまでしか表示させません。ですから、似通った内容について複数のページで触れたとしても、せっかく作ったページが検索画面では埋もれてしまう可能性が有ります。
より多くの集客へとつなげていくためには、ページごとで狙うキーワードが分かれているかに配慮をすることが大切です。今回はポータルサイト全体を通じて一つの塊ですから、Q&A内だけでなく、「ハウツー」や「一括見積サービス」といったコンテンツ間での工夫も必要だと思います。
コンテンツカニバリゼーションを避ける重要性
「解体工事Q&A」の2つ目の役割は欲しい情報が手に入るという期待感でしたが、重複するコンテンツはユーザーの期待感を大きく削ぐことになります。
同じような情報が複数ページに重複して書かれているようなサイトは、ユーザーが同じようなページを何度も目にすることになってしまい、スムーズさを欠くことにつながります。また重複したページを目にすることで、薄っぺらいサイトという印象を与えることにもつながってしまいます。
ユーザーの期待感を高めるためにも、むやみやたらにコンテンツを増やすのではなく、コンテンツの独自性に配慮をしなくてはいけません。
解体工事Q&Aと他コンテンツ間の注意点
4.サイト全体の構成を考え、コンテンツを作成する順序をつけるで、それぞれのコンテンツの役割を「コンバージョン」、「ハブサイト」というように、製作者側からの視点でご紹介しましたが、ユーザーの立場から見ても各コンテンツの役割は大幅に異なっています。住さんが言及された心理的段階を踏まえて、ユーザーから見たコンテンツの役割を区分すると次のようになります。
- 解体一括見積サービス : 良い業者を見つけるという「解決策の決定」
- 解体工事ハウツー&用語集 : 「ニーズの具体化」段階での疑問解決
- 解体工事Q&A : 「現状への疑問の発生」~「ニーズの具体化」での疑問解決
- 解体工事面白コンテンツ : ユーザーは心理的段階と無関係
- 解体業者向けコンテンツ : ユーザーは心理的段階と無関係
ユーザーが求める役割が違うということは、ユーザーが検索窓に入力する単語も違うということです。この点は意識する必要がありそうです。
解体工事Q&A内の注意点
「解体工事Q&A」というコンテンツ内でも共食いが起こらないようにすることは大切です。
まず気をつけるポイントとしては、重複した質問が存在していないかという点です。質疑で話題に上げるテーマが違えば、それを説明するための言葉も自然と違いが生まれますので、まずはこの点に気をつけることが第一です。
次に注意するポイントは、検索エンジンが重要視する「titleタグ」や「h1タグ」にも極力差異を持たせるという点です。先のコンテンツと比べるとそれほど厳密ではないのかもしれませんが、キーワードが分散するのに越したことはありませんので、出来る限り注意を払うべきです。
複合ワードのパターンから質問文を作る
約180個の複合ワードを4種類に分類してみる
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それでは、複合ワードからの質問文作成を行っていきたいと思います。
前回、住さんからいただいたヒントにより、約180個の複合キーワードを得ることが出来ました。ブログでは、心理的段階と系統によってキーワードが分類されていましたが、私達が得た複合ワードを適正を踏まえながらサイトに落とし込むと、次の4種類に分類出来ます。
- 一括見積サービス向け(見積依頼、格安、斡旋etc.)
格安業者や斡旋業者など、解体業者への見積依頼へ直結する言葉 - ハウツーやQ&Aの個別記事向け(施主手配、補償、解約etc.)
組み合わせの相手が特定の言葉に限定されるもの(施主手配を例に挙げると、解体以外の組み合わせは見つからない) - ハウツーやQ&Aのカテゴリ向け(価格、施工例、秘訣etc.)
組み合わせの相手が幅広く存在するもの(価格を例に挙げると、木造解体、鉄骨解体、RC解体、というように様々見つかる) - 解体業者向け(テキスト、講座、セミナー)
解体業者の関係者しか検索をしないもの
一括見積サービス向けに関しては、解体工事Q&Aではそれほど積極的に取り上げる必要も無いでしょう。また、カテゴリ向けのキーワードについては守備範囲が広いため、個別記事だけではなくカテゴリ名に設定しても良いと思います。
ちなみに、解体業者向けのキーワードについては「解体業者向コンテンツ」の作成が大分先の話になりますので、とりあえず放置しておきます。
既存の質問に含められそうなキーワードは、既存の質問文に加える
既に作成済みの質問文リストとキーワードリストを見比べながら、質問文に挿入できそうなキーワードを探していきます。そして、次のように質問文を書き換えていきます。
例)「値段などの点で、解体工事に適した時期はあるのでしょうか?」
↓
「解体工事の値段が安くなる閑散期はいつなのでしょうか?」
このようにして、キーワードリスト上の単語が必ず一回は登場するように設定していきます。ちなみに、検索するユーザーは、多くの場合で自然な日本語の組み合わせを入力すると思われますので、無理にキーワードを入れるのではなく、自然な文章になることを心がけます。
それ以外のキーワードからは新たな質問文を作る
利用しなかったキーワードについては、その語彙を用いて新たな質問文を作ります。
実際に検索を行うユーザーのことを思い浮かべながら、自然な文章を作成しました。
例)「施主手配+解体工事」
↓
「解体工事を施主手配する流れと、その際の注意点を教えてください。」
パターン化された複合ワードはそもそもそれほど数が多くありませんので、大変な思いをすることなく作業を進められました。
追記 SEMコンサルタントの亀田さんより、連絡系のキーワードとして「フリーダイヤル」をお勧めいただきました。ありがとうございます!
過去データとツールの検索語から質問文を作る
キーワードリストを印刷
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続いて行ったのが、過去データとツールの検索語からの質問文作成です。
先程の180個とは打って変わって、今度は約3万件という膨大な数のキーワードが有り、そのままでは作業をする気が起きなかったので、とりあえず紙面に印刷をしてみました。(印刷に当たってはデータをWordに貼り付け、1ページを4段組にしています。)
ディスプレイに比べて一度に目に映る情報量が増えたからなのか、それとも紙面でないと情報が頭に入らない昭和生まれの特性なのか分かりませんが(笑)、ずいぶん見やすくなったように感じます。
ザッとページを見渡して、見慣れない言葉をチェック
次に行うのはリストの全体をチェックすることです。
本来であれば先程と同じように、質問文にキーワードを組み込んでいきたいところなのですが、3万件のキーワードと各質問とを一個一個見比べていてはあまりにも非効率です。そこで、ザッと目を通して違和感を感じる単語のみに焦点を絞ることにしました。
印刷したリストをペラペラとめくりながら、違和感を感じる言葉(自分が普段使っていない言葉や、先の質問文を作った時に思い浮かばなかった言葉)を見つけ、ペンで目印をつけていきます。
実際に行ってみると、知っていてもあまり使わない言葉や、思いもつかない意外な言葉が沢山含まれていました。また、業界の内部にいると専門用語に慣れてしまうのですが、私たちが日常使う言葉と一般のお客様が使う言葉にも結構な隔たりがあるようでした。
既存の質問に含められそうなキーワードは、既存の質問文に加える
基本的に複合ワードの時と同様の流れですが、数が多いため、利用したキーワードを色ペン等でチェックするようにしましょう。
それ以外のキーワードからは新たな質問文を作る
こちらも複合ワードの時と同様の流れですが、意外なキーワードが多く、質問を作るのも結構楽しいものがありました。
例)「隣家+解体+ゴキブリ」
↓
「隣家の解体工事の影響でゴキブリが大移動をしています。どこに苦情を言えばよいのでしょうか?」
キーワードが細かいためキッチリとやりたくなってしまいますが、今回はあまり考え込み過ぎず、サクサク作っていきました。一通りコンテンツが完了した後も、アクセス解析を見ながら調整をしていくことは可能ですし、足らないキーワードがあれば後でコンテンツを追加すれば良いので、スピードを優先させました。
キーワードの微調整をする
全体のバランスを見る
質問文がひと通り出来上がったら、全体のバランスをチェックします。
コンテンツの偏りや、不足しているキーワードを修正したら完了です。
下記が出来上がったコンテンツになるのですが、無事に500以上の質問文を作ることが出来ました。コンテンツの質はこれから作る回答次第ですが、ボリュームという点では十分なものが出来そうです。(今後増やしていくことも可能ですし^^)
解体工事Q&Aのコンテンツ概要完成
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次回のお知らせ
WordPressを設定し、コンテンツ作成していく
今までコンテンツの素材を広げるばかりでしたが、今回それを集約し、ようやく解体工事Q&Aの骨組みが出来てきました。
今度は質問に適した回答を順番に作成していくことになりますが、ルーチンワークを効率的に進めるために大切なのがCMSの存在です。ゴールを意識した上で、それに沿った初期設定を行えば、作業の効率はグンと上がるはずです。
そこで次回は、解体工事ポータルサイトの大半を担っていくWordpressの設定と、効率的な作業の進め方をご紹介したいと思います。少しずつですが、アイデアが段々と形になっていく過程をご覧いただけると思いますので、どうぞお楽しみに。